どこへ向かっているか分からない電車の、車内。いつも通りに乗り込んだ、乗車たちの追憶劇。

ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウ
或いは、泡ニナル、風景

2012年6月22日-24日PRUNUS HALL
(GALA Obirin 2012参加作品)
撮影|飯田浩一

パンフレットより 「ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウにまつわる、エトセトラ。」

えっと、藤田貴大です。この作品を、ここプルヌスホールにて。初演したのは23歳になったばかりの、そうそう、大学を卒業したばかりの、マームとジプシーが一度、ほろほろと、散り散りになったばかりの、そんな頃でした。まあそんなわけで、思い出深くて、いつかは古傷を抉るような気合いで、再演でもしたいですなあ、と、ずっと考えていた作品でもあります。そんな作品を、また、ここプルヌスホールにて、上演できるのは、不思議と漲ります。何かが、漲ります。四年前の初演から、マームとジプシーはどんどんと変容してきました。たくさんの人たちと出会って、別れてきました。そして自分たちの表現を、次々と、愚直に、更新してきたつもりです。その更新する力は、術は、誰かが教えてくれたモノではありません。総て、独自に。自力のみを信じて、ここまでやってきたつもりであります。その更新は。今もまだ当然、続いています。僕らはまだ、何にも到達していないのだから。記憶の奥地に。喪失の、その先に。僕は。僕らは。どこまで踏み入ることができるのでしょうか。それは一生をかけて、模索します。作品にします。つまり漲ってますよ。今、僕、藤田貴大は。27歳っす。いつまでも甘えっ子気質が抜けない27歳っす。この会場に大学生みたいな世代の人たちがいるとして、その人たちには、僕みたいにはなるなよ、いや、なろうとしてもなれないだろうがな。とだけは言っておきたい。舞台活動を続けるのは、それなりに辛いよ。あ、でもでも、いいこともあるよ。というのは、続けていると、一度、別れた人と、再会することもあるぜ。マームにも、一度、田舎に帰ったヤツらが何人か。帰ってきた。そいつらも含めて、また厳しく作品つくってるってことは、まあ、作家として。この上ないよ。また、ここプルヌスホールにて。マームは再集結した。だから。漲ってますよ。今。気持ち悪いくらい。血液なんて、もう半分以上。レッドブルで、できてそうだけどね。そして、または。或いは。記憶の中で、誰かに再会することも、あるよ。それってさあ、素晴らしくないか?この作品を。失った。記憶の中にしか、もう居ない、人たちに。相変わらず、告ぐことにしようと思う。

6/16 藤田貴大

出演

伊野香織  石井亮介  荻原綾
尾野島慎太朗  斎藤章子
高山玲子  成田亜佑美  波佐谷聡
召田実子  吉田聡子

スタッフ

作・演出
藤田貴大
舞台監督
森山香緒梨 加藤唯
照明
吉成陽子 山岡茉友子
音響
角田里枝
制作
遠松優香 竹下恵美
(GALA Obirin 2012)
林香菜(マームとジプシー)
舞台写真
飯田浩一

クレジット

主催
GALA Obirin 2012実行委員会