河辺で野宿をしている女子中学生たち。
踵を三回鳴らしたのは、しゃぼんのころ。
少女に映った風景は、反転して白かった。

しゃぼんのころ

2010年5月26日-31日STスポット
撮影|飯田浩一

パンフレットより「しゃぼんのころ」

本作品は、前作の『たゆたう、もえる』までの試みとは、たぶん違ってきていて。たぶん、っていうのは、明確に、そう、とは言い切れないって意味で。今までを断ち切って、全く変わって、今に至るわけでもなくて。でも、違ってきているっていうのは、その変容していく様子を、今の自分たちの現場から、どうやら感じることができているからである。

変容していくっていう僕らの今と『しゃぼんのころ』。

『しゃぼんのころ』は中学生たちの三日間の話。

急速にココロとカラダを前進させてゆく中学生。

濃密な時間の中、あの頃の僕や、僕の周りの人たちは、どう変わってきたのか。あの人との距離はどうだったのかとか、なんでだろう、なんでだろう、と、やっぱり、今だって、思い出しの作業は果てしなく続いているのだけど、続いていくし、その作業の経過、それそのものが、作品であって、そこを、僕らも、今日ご来場いただいたみなさんも、通過、していくのだなぁ。と、確認もしつつ。2010年代の一年目。もう5月。コドモたちが学校に通ったりしている。相変わらず。

『しゃぼんのころ』に出てくる人物たちの、孵化していく感じ、これはちょっと、マームとジプシーがこれから変容してゆくための、第一歩目だと、僕は勝手ながら考えていて。紛れもなく、この物語は、これから、の話なんだと。

やっぱりでも、思い出しているのは、あの頃。風景が反転して白かったような、あの頃なんだ。なぁ。あぁ。

5/16 藤田貴大

あらすじ

学校にも行かず、家にも帰っていない。
ずっと変わらないこの街は窮屈で退屈。
周囲の人々との距離は曖昧で中途半端。
河辺からは学校を眺めることができる。
そう、ここから学校を眺めているのだ。
河は海に繋がってる。外に繋がってる。
少女たちが過ごしたある季節の三日間。
14歳のゆらゆらなココロと、カラダ。
繊細に紡ぎ出していく、三日間の情景。
この生活の終わり。少女は歩き出すか。
踵を三回鳴らして。ドロシーのように。

出演

青柳いづみ  伊野香織  荻原綾
斎藤章子  召田実子  吉田聡子
尾野島慎太朗  波佐谷聡  横山真  

スタッフ

作・演出
藤田貴大
舞台監督
森山香緒梨
照明
吉成陽子
音響
角田里枝
演出助手
吉田彩乃 舘巴絵
宣伝美術
本橋若子
制作
林 香菜
舞台写真
飯田浩一
提携
STスポット
協力
NINGENDAYO.
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