終わりたいけど終われない四つの同棲生活から紡ぎ出される、一つの街

夜が明けないまま、朝

2009年6月17日-21日下北アートスペース
撮影|飯田浩一

チラシより

今、夕方で、まだ部屋から出れていない。
眠たいわけではない。なんだか外に出れない。
カーテンの隙間からオレンジ漏れて。
下校中の小学生の声が聞こえている。
猫が発情している。
僕の口からはドックフードみたいな匂いが漂っている。
隣には崩れかけたリンゴが置いてある。
僕は干からびてくそれを眺めている。
誰も帰ってこないのに、
誰かの帰りを待つように、
まだ外に出れない。
今、バイクが通りすぎた。
まだ、夕方。
いつまでも朝がこない。

藤田貴大

パンフレットより「夜が明けないまま、朝」

中央線に乗っている、今、朝です。

また朝がきてしまって、
まだ明けないはずの夜は断ち切られてしまった。
夜が明けないままの僕は、きっと僕らは、おぼつかない日常の中、
毎朝を迎えることになっている。
生まれたときからこの秩序に身を置くことに、なっている。

でもそれは地球とか世界の都合で、僕の都合ではない。
まだ夜が続いている。
まだ朝日を浴びる準備は出来ていないのだ。

この街の人々は、フラフラフラフラ歩いている。

夜が明けないまま、それでも朝は訪れて、訪れてしまって、
それでも確かに歩いている。

地下に降りたら待ちの音が消えた。
この体験が出来たからこのギャラリーで、この作品をしたかった。

僕は紡ぎだすことができているのだろうか。

まだまだ創作、行き先不安。中央線、意外と空いてる。窓の向こうには朝日。

藤田貴大

出演

藤田早織  召田実子  末森英実子
田代尚子  緑川史絵  吉田聡子
斎藤章子  鈴木宏侑  安藤理樹  今野雄仁

スタッフ

作・演出
藤田貴大
舞台監督
森山香緒梨
部屋作り
青柳いづみ
生出奈々 萩原綾
照明
吉成陽子 芹川直子
音楽
田中里実
宣伝美術
本橋若子
制作
伊野香織 林香菜
舞台写真
飯田浩一