「蜷の綿」延期のお知らせ

2016年1月22日

昨年12月中旬に体調を崩した蜷川幸雄氏は、軽度の肺炎と診断され、入院いたしました。その後、1月上旬から稽古に入る予定だった新作『蜷の綿-Nina’s Cotton-』に向けて療養を続けておりましたが、体力の回復が十分ではないため、やむを得ず公演を延期することといたしました。
公演を楽しみにされていた皆様に深くお詫び申し上げます。
今後は日程をあらためて公演を実施できるよう鋭意準備を進めて参りますので、何卒ご理解いただき、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

『蜷の綿-Nina’s Cotton-』は、50歳離れた藤田貴大さんが時間をかけてぼくのことを戯曲に書き上げてくれました。恥ずかしい気持ちはあるのですがとても面白いので、演出しようと決意していただけに、悔しい気持ちでいっぱいです。早く回復して劇場に戻ります。

蜷川幸雄

蜷川さんが「やはり現場に来て、自分が演出をしたい」とおっしゃったのは、とてもポジティブなことだと、ぼくはおもいました。稽古初日に彼の姿はなかったのです。彼が不在のまま、作品が進んでいこうとしていました。

作品がいちばん良い状態でつくられていくこと、すなわち彼自身が演出を施していくことを、やはり彼は選んだわけです。

『蜷の綿』は彼自身の物語です。

長い時間をかけて、ぼくが彼にインタビューをしながら書き進めてきた作品です。ここ最近の彼の姿を見つめながら、ぼくが感じたことも正直に書いています。

「自分自身の身体が、だんだん自分の作品が存在する場所に行かせてくれなくなった」

彼は、そんな現実のなかで葛藤しています。身体はもうとっくに、ぼくらが想像できないくらい苦しいはずなのに、演出家としての彼はまだまだつくりたいともがいている。

だから、「やはり現場に来て、自分が演出をしたい」とおっしゃったのを聞いて、とてもうれしかった。彼が用意してくれたこんなにも大切な時間のなかで、ぼくは彼を待っていたいとおもいました。

『蜷の綿』という作品においては、ぼくもマームとジプシーも蜷川チームに付随するものだという自覚があります。チームの方針に合わせながら、ぼくらも動いていきたい。

彼がまた稽古場に戻ってくることができて、作品づくりの環境が整ったら、ぼくらも再始動します。その日まで、きちんと準備を進めていきながら、待っています。

藤田貴大

<チケットの払い戻しに関するお知らせ>
公演延期に伴い、チケットの払い戻しを行います。
払い戻し方法につきましてはSAFチケットセンターほか各プレイガイドからチケットご購入者様へご連絡差し上げます。

■払い戻しに関するお問い合わせ
彩の国さいたま芸術劇場 048-858-5507

公演延期に伴い、下記の作品を上演することが決定しました。
■さいたまネクスト・シアター×さいたまゴールド・シアター
「リチャード二世」
■マームとジプシー
「夜、さよなら」
「夜が明けないまま、朝」
「Kと真夜中のほとりで」
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