〔東京〕 2016年5月2日-4日/LUMINE0
撮影:橋本倫史
春って季節はとてもやっかいなもので、今年もこの匂いが奥まで届いて、つーんとする。
あたらしい空間で、
あたらしい旅を始めようとしている。
日々はやっぱり、まえへまえへ進んでいくけれど、進んでいくだけでいいのだろうか。たまに立ち止まって、ゆっくり思い出したい。
お店に立ち寄ってゆっくり服を眺めたいとき、本をどうしても読みたいとき、音楽を聴かなくちゃやってられないとき。
まえへまえへ進んでいくだけの時間とは、ちがう時間を求めるとき。
その「とき」の、ひとつの「とき」が、マームとジプシーに立ち止まる「とき」でありますように。
劇場は、約束の場所。約束をしたひとが、ここで出会って、また別れる。
出会って、別れたひとたちは、
またそれぞれの日々になにを持って帰るのだろうか。
あたらしい空間で、
春って季節をつーんとかんじながら、この空間で、これからどんどん出会って、別れますように、と。祈りながら。
マームとジプシーは、あたらしい旅の支度をしている。
石井亮介 伊野香織 小椋史子
斎藤章子 中島広隆 船津健太
作・演出/藤田貴大
舞台監督/熊木 進
照明/南 香織(合同会社LICHT-ER)
音響/角田里枝
映像/召田実子
衣装/荻原 綾
制作/林 香菜 古閑詩織(マームとジプシー)梅村祥子