〔東京〕2015年6月27日-7月12日/東京芸術劇場シアターイースト
〔新潟〕2015年7月18日/りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場
〔愛知〕2015年7月25日-26日/穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
〔沖縄〕2015年8月1-2日/ちゃたんニライセンター カナイホール
〔山口〕2015年8月8-9日/山口情報芸術センタースタジオA
〔神奈川〕2015年8月14日/杜のホールはしもと ホール
あたらしい『cocoon』をつくっていく日々のなかで、彼がこの舞台に存在しているのを想像するようになった。
つくっていきたい音のなかに彼がいた。
膨らみつづけたこの想像を実現したいとおもった。
それは彼とぼくとの作業がまだ終わっていないことを意味した。
『cocoon』というプロジェクトが終わらなかったように、彼との作業も終わっていない。
『cocoon』という作品のなかに漂う、なにか。
ときには残酷で、ときにはすべてを包むような、なにか。
女子たちが砂のうえを走りつづける。
それをいっしょに見つめたい。
空間、そのものへの取り組みついて、また彼とかんがえたい。
そう、つよくおもった。
二年前の自分では届かなかったところに、手を伸ばしたい。
『cocoon』は手を伸ばしつづけなくちゃいけない。
そのためには、想像を止めちゃいけない。
ときどき、
あいかわらず、
立ち止まって、
振りかえってしまうけれど。
それでもやっぱり、
この先にある、あたらしい場所に向かって。
走らなくてはいけない。
現在、アタマのなかに浮かんだことはすべてカタチにしたい。
だって、現在ほどの未来はないのだから。
2015.5.18
日づけは、19日の深夜
終わらなかったことに取り組んでいる。
日々のなかでこのことが鳴りやまないでいた。
だからいま、またつくっている。
不安は。
ちゃくちゃくとふえていった。
そうとおくない、未来。
いや、または。
現在という、未来。
誰が、想像していただろう?
息がきこえてくる。
肌がこすれて、はじける。
つないだ手をはなさないでいる。
あらがえない時代を、走っていく。
無限のひとりひとりが溶けこんだ、おおきなひとつ。
その内側で。
脈打つもの。
なみのおと。しおのにおい。
このひとつが、奥底までとどいて。
ずっとつづいていってほしい。
途絶えることなく、想像は。
なにもかもを越えていってほしい。
ここに居るすべての人の先代が、ひとり、ふたり、さんにん、よにん、、、数えきれないほど、生まれて、生きて、子をつくり、死んでいった。それは教科書やインターネットには載っていない、家族という集団のなかで紡がれてきた、それぞれの歴史。おじいちゃん、おばあちゃん、ひいおじいちゃん、ひいばあちゃんたちが、幾多の戦火をくぐりぬけ、必死で繋いでこなかったら、いまのじぶんは居ない。いのちの記録は、この身体にだけ残っている。そのことを思うと、cocoonという物語を生きる、彼女の、彼の、走り方、しぐさ、声のトーン、笑い方、歌声、息づかいが、、、愛おしくてたまらなくなる。70年前といまが結びつく先は、どこだろう。永いながい時間を想いながら。あたらしい夏を迎える。
原田郁子(クラムボン)
青柳いづみ 菊池明明
青葉市子 小川沙希 花衣 川崎ゆり子
小泉まき 鴨志田ひよ 高田静流 中嶋祥子
難波 有 長谷川洋子 伴 朱音 吉田聡子 コロスケ
石井亮介 尾野島慎太朗 中島広隆 波佐谷 聡
飴屋法水
原作/今日マチ子「cocoon」(秋田書店)
演出/藤田貴大
音楽/原田郁子
音/zAk
照明/富山貴之(東京/ 山口)
南 香織( 新潟/ 豊橋/ 沖縄/ 相模原)
映像/召田実子
衣裳/高橋 愛 (suzuki takayuki)
ヘアメイク/金野睦美
アシスタント/小椋史子 西島亜紀
音響部/田鹿 充 岩谷啓士郎
衣装部/荻原 綾
演出部/加藤 唯 丸山賢一
舞台監督/森山香緒梨
制作進行/林 香菜(マームとジプシー)古閑詩織
鳥井由美子(沖縄公演)
宣伝美術/川名 潤(PriGraphics)
絵/今日マチ子
特別協力/急な坂スタジオ
企画制作/合同会社マームとジプシー 東京芸術劇場
りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 穂の国とよはし芸術劇場
山口情報芸術センター 杜のホールはしもと
主催/東京芸術劇場 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
穂の国とよはし芸術劇場 山口情報芸術センター
杜のホールはしもと
助成/一般社団法人全国モーターボート競走施行者協議会
一般財団法人地域創造
平成27 年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業