「ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウにまつわる、エトセトラ。」
えっと、藤田貴大です。この作品を、ここプルヌスホールにて。初演したのは23歳になったばかりの、そうそう、大学を卒業したばかりの、マームとジプシーが一度、ほろほろと、散り散りになったばかりの、そんな頃でした。まあそんなわけで、思い出深くて、いつかは古傷を抉るような気合いで、再演でもしたいですなあ、と、ずっと考えていた作品でもあります。そんな作品を、また、ここプルヌスホールにて、上演できるのは、不思議と漲ります。何かが、漲ります。四年前の初演から、マームとジプシーはどんどんと変容してきました。たくさんの人たちと出会って、別れてきました。そして自分たちの表現を、次々と、愚直に、更新してきたつもりです。その更新する力は、術は、誰かが教えてくれたモノではありません。総て、独自に。自力のみを信じて、ここまでやってきたつもりであります。その更新は。今もまだ当然、続いています。僕らはまだ、何にも到達していないのだから。記憶の奥地に。喪失の、その先に。僕は。僕らは。どこまで踏み入ることができるのでしょうか。それは一生をかけて、模索します。作品にします。つまり漲ってますよ。今、僕、藤田貴大は。27歳っす。いつまでも甘えっ子気質が抜けない27歳っす。この会場に大学生みたいな世代の人たちがいるとして、その人たちには、僕みたいにはなるなよ、いや、なろうとしてもなれないだろうがな。とだけは言っておきたい。舞台活動を続けるのは、それなりに辛いよ。あ、でもでも、いいこともあるよ。というのは、続けていると、一度、別れた人と、再会することもあるぜ。マームにも、一度、田舎に帰ったヤツらが何人か。帰ってきた。そいつらも含めて、また厳しく作品つくってるってことは、まあ、作家として。この上ないよ。また、ここプルヌスホールにて。マームは再集結した。だから。漲ってますよ。今。気持ち悪いくらい。血液なんて、もう半分以上。レッドブルで、できてそうだけどね。そして、または。或いは。記憶の中で、誰かに再会することも、あるよ。それってさあ、素晴らしくないか?この作品を。失った。記憶の中にしか、もう居ない、人たちに。相変わらず、告ぐことにしようと思う。
2012.6.16 藤田貴大
