mum&gypsy

坂上がりスカラシップ2011年対象公演

LEM-on/RE:mum-ON!!

〔京都〕2012年329-31日/元・立誠小学校

撮影:飯田浩一

▽ チラシより(藤田貴大)

「梶井さんと僕。」


26歳、藤田貴大です。この度、31歳で亡くなった梶井さんが書いた作品たちを原案に、マームとジプシーを稼動させて、京都にて、しかも元々、小学校だった場所を舞台に、3月も末日付近を狙って、作品を元気に運動させよう、っていうそういうわけです。僕は今、まあ普通に、それなりに、26歳として、26歳ならではの悩みみたいなのに直面していて、というのは、これからも作品を活動させていくのかな、とかですね。まあ、させてくんだと思うんだけど、当たり前に、これから五年間の自分の行き着く先とかを、作品レベルで、割とリアルに考えてしまってます。いらんことかもしれないけれど、考えざるを得ないわけです。五年後といえば、梶井さんが亡くなった年齢ですね。というわけで、です。梶井さんと向かい合ってみよう、っていう、そういうわけです。横浜のチカラと、京都のチカラをお借りして。行く先々で皆様、ご迷惑おかけします。僕の拙い話を聞いてください。耳を貸してください。耳どころか、感覚、総てを貸してください。どうぞよろしくお願いします。

2012.1.25 藤田貴大

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▽ パンフレットより(藤田貴大)

「マームとジプシーは狂った3月、過ごしてる。」


今年の3月ってのは、どことなく狂っていて、マームとジプシーはいつになく、かき乱された感じあり。なかなかに、満身創痍な感じで、つくったのが、これ。たぶんこれからもマームとジプシーやってくんだけど、でも。どうする。ってな感じで、頭抱えながら、つくったのが、これ。僕らは今まで記憶を取り扱って作品をつくってきた、と言い切れる。それくらい記憶に対して精力、注いできた。だから学校を舞台にするのは、すんなりと、まるで導かれるように、こうなった。僕らは通学路。を行くようにして、作品つくった。狂った3月、過ごしながら。どうでしょうか。学校は。ここまで来た感じは。通学路を来た感じは。何かありましたでしょうか。あの頃、見ていた景色を見ることはできるのでしょうか。失ったものは、取り戻せるのでしょうか。答えは、否。否。否。なんだけど。わかっているんだけど。でもでも僕はまだ記憶の中をさ迷うよ。手探りで。そして、真正面から。いつも手放さなかった梶井さんの本を捨てて。記憶を進んでいくよ。

2012.3.23 藤田貴大

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出演

伊野香織 荻原 綾 尾野島慎太朗
川崎ゆり子 斎藤章子 高山玲子 成田亜佑美
波佐谷 聡 召田実子 吉田聡子

スタッフ

原案/梶井基次郎「檸檬」他
作・演出/藤田貴大


舞台監督/森山香緒梨
照明/吉成陽子
音響/角田里枝
記録・舞台美術協力/細川浩伸(急な坂アトリエ)
制作/林 香菜 市川公美子
主催/マームとジプシー
坂あがりスカラシップ(
急な坂スタジオ・STスポット・のげシャーレ)
共催/立誠・文化のまち運営委員会

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