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<沖縄公演>那覇文化芸術劇場なはーとこけら落としシリーズ

Light house

〔沖縄〕2022年2月4日-6日/那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場
〔東京〕2022年2月18日-3月6日/東京芸術劇場シアターイースト

撮影:岡本尚文

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▽ チラシより(藤田貴大)

どこからともなく届く光は、自然から成されたものではないことは解っていた。いつかの誰かが、誰かへ向けて発した光だった。ある人は、その光を見て見ぬふりをした。ある人は、その光自体を無いことにしようとした。しかしわたしには届いていた。届いたからにはわたしからも光を送りたくなった。届く光に微かな瞬きを感じた。光が在るということは、その傍には誰かがいるはず。光の合図は確実にここまで届いている。だからその光の位置まで、会いに行きたいとおもった。

2021.10.28 藤田貴大

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▽ パンフレットより(藤田貴大)

そのまえとそのあとは、そのときに隔てられて。あいかわらず、真夜中。しかし、暗闇のなか、ひかりのシグナルは放たれつづけていた。どこか、岬で。灯台守は、そのひかりの下でだれかを待っていた。もしくは、そのときを待っていた。ひかりは何マイルも先まで届いたが、そのひかりをキャッチするひとがどれだけいるか。あるいは、だれもこのひかりを見ていないかもしれない。

ひかりが聞こえるか。

皺の増えた手の甲をさすりながら、灯台守はおもう。目のまえに、ただ広がる海を見つめて。生命は、やはり有限であるということ。この生命の、のこりの時間でいったいなにができるか。つぎにつづく生命たちにのこすもの。のこすべきでないもの。

ひかりが聞こえるか。

灯台守は、微かに呟く。絶え間なく、波の音が耳まで届く。何万年も、何億年もまえからこの海は、この海だったらしい。もちろん、そこに拍手はない。海が海であることに、拍手なんてないだろう。

そこには、時間が在るだけ。そう、時間だけがただ流れている。

だれかの声に耳を澄ますと、そのひとの日々の匂いがする。だれかは、わたしやあなたのすぐ隣りにいる。
もうすこしで、夜が明ける。

2022.1.31 藤田貴大

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出演

青柳いづみ 豊田エリー 山本直寛 召田実子
小川恵祐 鳥井由美子 又吉美輪 リマ冴羅

小金沢健人(美術家)

スタッフ

作・演出/藤田貴大
環境演出/小金沢健人
サウンドスケープ・音響/東岳志(山食音)
照明/南香織(LICHT-ER)
衣装/橘田優子(kitta)
ヘアメイク/赤間直幸
舞台監督/原口佳子
舞台部/北村泰助 鳥養友美
アシスタント/森山香緒梨
照明部/上田茉衣子(LICHT-ER)
音響部/木塚國人
衣装部/若林佐知子 齋藤章子
映像部/宮田真理子 築山礁太
宣伝写真/岡本尚文
宣伝美術/川名潤
特設WEBサイト/伊藤眸
DM・パンフレットデザイン/青柳いづみ 六月


エンディング曲/SOREMOMATAYOSHI


制作/
平岡あみ(那覇文化芸術劇場なはーと)
林香菜(合同会社マームとジプシー)
古閑詩織(合同会社マームとジプシー)
鳥井由美子(わが街の小劇場)


広報協力/土屋和歌子(沖縄公演) 長尾芽生(東京公演)


票券管理(東京公演)/飯塚なな子


《沖縄公演》
主催 那覇市


《東京公演》
主催 合同会社マームとジプシー
共催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
助成 文化庁 セゾン文化財団

©2018 mum&gypsy