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アーツ前橋開館10周年記念展「ニューホライズン 歴史から未来へ」

演劇・展示作品「瞬く瞼のあいだに漂う」

[前橋]スズラン前橋店 新館3階
展示作品 2023年10月14日-2024年2月12日
演劇作品 2023年10月28日-29日/12月23日-24日

▽ ハンドアウトより(藤田貴大)

 止まっていた時計を再び動かすように 


いつかの夏を思い出しながら 


町を歩いて、佇んだ 


 

この土地のどこかで生まれたわたしが 


わたしという個をあらためて 


たしかめていく時間 


 

憶えのない光景に触れて 


わたしの知らない時間が 


わたしの内側を駆け巡る 


 

現在に至るまでの連なり 


 

わたしはどうして、わたしなのだろう 


 

記憶のなかにだけある 


いつかのだれかの言葉 


 

拾い集めて、繋いで 


わたしの部屋を、つくろうとおもった 


 

わたしがわたしであるために 


 

2023.9.25 藤田貴大 

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▽ ハンドアウトより(キュレーター 有馬恵子)

藤田貴大とマームとジプシーは、美術と演劇を架橋する上演的・物語的作品を作りあげている。藤田は前橋市で生まれ、北海道伊達市で育った。祖母・祖父と母親が生まれ育った場所、しかし自身はそこで生まれたが、暮らしてはいない。生まれた場所、生きている場所とは何か。街を歩き、留まり、身を置くことで藤田は、過去の記憶の断片と現在目に映るものとを行き来しながら、作品に取り組んだ。その過程で「前橋のまち」と、そこから/そこへの「わたしとの」距離は複雑に絡まり合う。祖母や祖父、母の記憶をたどりながら、自身の内面や記憶を辿っていく。それは、街というフレーム(外側)から、自身(内側)へと深く入り込んでいく作業でもあった。
本作は、プロローグ(序章)とインターリュード(幕間)に挟まれた5つのシーンで構成される。それぞれのシーンは、前橋市内でのフィールドワークを経て制作された映像と写真作品、コラージュ、ヴォイス、テクストなど多様な要素で構成される。それらの断片は、藤田とマームとジプシーが演劇作品で培ってきたドラマトゥルギーと空間の技法により、インスタレーションとパフォーマンスとして再構成される。パフォーマンスの中で藤田の言葉は、俳優・青柳いづみの身体と声、音楽家・大友良英の音と重なりあい、響きあうことでふたたび織りなされていく。

 

2023.10.5 有馬恵子(アーツ前橋)

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出演

10月28日(土)29日(日)/12月23日(土)
出演/青柳いづみ
船津健太 召田実子 油井原成美


12月24日(日)
出演/青柳いづみ 大友良英
船津健太 召田実子 油井原成美

スタッフ

藤田貴大


出演/青柳いづみ


撮影/召田実子
衣装/若林佐知子(swllow)
シューズ/trippen
製作協力/油井原成美、柳瀬瑛美、船津健太
佐藤恵美、佐々木菫、猿渡遥、天田泉、渋谷采郁、荒木穂香
制作/合同会社マームとジプシー
キュレーション/有馬恵子(アーツ前橋)


主催/New Horizon展実行委員会・前橋市(展覧会)、合同会社マームとジプシー(演劇公演)
会場協力/スズラン前橋店


 

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