〔東京〕2013年9月6日-8日/VACANT
撮影:橋本倫史
夏のおわりに、
未映子さんの文字に出会って、
音にしようとするときに、森のなかへ迷いこんだ、
ような。やがて辿りついた、山小屋のなかは、
じつはそこは、自分の内側で。そこから再度、
外にでてゆくのは、とても困難で。
みたいなそんな、孤独と。
内と外の隙間で右往左往する、揺れる身体は。
世界と一体化するのか、どうか。とかとか。
洪水のような言葉たちに当てられて、かんがえて。
答えがみつからぬままであろうことを、
みつけようともがけどもがけど、
みつからない。ってことを、くりかえして、
この夏がおわってほしいし。
未映子さんは、数年前から。
マームとジプシーをずっとみつめてくれていた。
その眼差しが、文字になり、音となった。
この一連が、このうえない至福。
こんな機会を遺憾なく逃すまいとするのは必然。
死ぬ気でやるけど、死ねないのもわかっている。
どうか、あらゆることが終わらないように。
青柳いづみ
テキスト/川上未映子
「冬の扉」
「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」
「まえのひ」