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リーディング公演

蜷の綿-Nina’s cotton-

2019年10月13日-10月15日/彩の国さいたま芸術劇場大ホール

撮影:宮川舞子

▽ パンフレットより(主催者挨拶)

本日は『蜷の綿-Nina's cotton-』リーディング公演にご来場いただき誠にありがとうございます。

本作は、気鋭の演劇作家・藤田貴大さんが故・蜷川幸雄前芸術監督からの依頼を受けて執筆された書き下ろし作品です。2016年2月、演出を手掛けるはずだった蜷川氏の体調不良により公演延期となり、今日まで未発表となっていました。この度、彩の国さいたま芸術劇場開館25周年を記念し、3年半あまりの時を経てリーディング公演として発表できることになりました。

藤田さんが戯曲のテーマに選んだのは蜷川氏自身の人生そのものでした。蜷川氏が生まれ育った川口での少年時代、劇団青協での俳優時代、演出家としての現代人劇場、櫻社を率いたアングラ時代、商業演劇への進出、ロンドンでの称賛、そして老いーー。本作では、日本にとどまらず世界の演劇史にその名を残す「演出家・蜷川幸雄」の一人の人間としての生き様が描かれています。

本作を演じるのは、蜷川氏が彩の国さいたま芸術劇場で創設し、心血を注いで育て上げた2つの劇団、さいたまゴールド・シアターとさいたまネクスト・シアターです。演出は、30年にわたり蜷川氏のアシスタントとして蜷川作品を支え続けてきた井上尊晶さんが務めてくれました。

蜷川氏逝去から3年半経った今も、時代とともに疾走し、世界を相手に闘い続けた不世出の演出家が残した数多くの作品は、私たちの脳裏に鮮烈に焼き付いています。本作を通じて、蜷川氏が最期まで絶やすことのなかった演劇への情熱に触れていただけましたら幸いです。

最後になりましたが、本公演の実現のためにご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げてご挨拶をさせていただきます。

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
理事長 竹内文則

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▽ パンフレットより(演出・井上尊晶)

蜷川幸雄への手紙

あなたが亡くなって3年、初めて手紙を書きます。
ネクスト、ゴールド・シアターのメンバーが、久しぶりに集まりました。仕事の関係、家族の問題、体調不良、様々な事情で参加できないキャストもいますが、これだけの俳優たちが「蜷の綿」公演のために再開したのです(素直に嬉しい……)。

あなたが、僕たちに稽古場で投げかけた言葉の数々は、キレイ事ではない、あなたの体を通した経験から得た「言葉」だったのですね。あなたと同じ「青い血」を持った藤田貴大さんの戯曲を上演することで再発見しました(この公演に携わる関係者の皆さん、そして、観客の皆さんに感謝です)。
2013年2月、ネクスト・シアター"オイディプス王"公演の際、狭心症で入院したあなたはラグビーのように、後続の僕にボールをパスしてくれました。そのボールを持って今も、僕は前に進むべく、走っています。(そしてこれからも……)
2014年11月、雨傘革命がはじまった香港での『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』公園であなたは下血して倒れました。その香港では、また、若者、民衆が再び立ち上がっています(終わりはないのですね。これからも、続いているんですね)。

……僕はすぐにあの人の詩を思い出してしまうのです。「血の婚礼」という芝居を書いたあの人の詩を……、死人たちには決して血を失っていない。死人たちは決して血を失っていない。僕らはただしばらく眠りたいだけだ、ほんの一分間、ほんの1世紀。ーーー清水邦夫『血の婚礼』より

また、手紙書きます。

井上尊晶


蜷川幸雄様

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出演

さいたまゴールド・シアター
石井菖子 石川佳代 宇畑 稔 大串三和子 小渕光世
葛西 弘 神尾冨美子 上村正子 北澤雅章 小林允子
佐藤禮子 重本惠津子 田内一子 髙橋 清 滝澤多江
竹居正武 谷川美枝 田村律子 ちの弘子 都村敏子
寺村耀子 遠山陽一 德納敬子 中野富吉
中村絹江 西尾嘉十 林田惠子 百元夏繪
宮田道代 森下竜一 渡邉杏奴


さいたまネクスト・シアター
周本絵梨香 鈴木彰紀 竪山隼太 手打隆盛 堀 源起
内田健司 中西 晶 平山 遼 續木淳平 阿部 輝
銀ゲンタ 鈴木真之介 髙橋英希

スタッフ

作/藤田貴大
演出/井上尊晶


美術/中越 司
照明/岩品武顕
音響/井上正弘
衣裳/紅林美帆
ヘアメイク/鎌田直樹
映像/召田実子
演出助手/塩原由香理、前原麻希
舞台監督/山田潤一


舞台監督助手/布田栄一 小池由里子 大畑豪次郎
須田雅子 齋藤亮介
ヘアメイク助手/岩田知世 田中順子
照明操作/菅沼翔太 小谷中直美 千坂 茜
石井大輔 田所輝一
音響操作/鹿野英之 奥山茂之
映像操作/小西 楓
大道具/金井大道具(宮崎惠一)
制作助手/飯嫁なな子


劇場舞台技術:八木 香 中村光成 堀田悠翔 市村嘉菜
伊能萌衣 齊藤 正 谷 肇 金子伸也 村松英利花


宣伝写真/蜷川実花
宣伝美術/柳沼博雅


協力/ニナガワカンパニ マームとジプシー
オフィス新音 川口鑄物工業協同組合 河村鋳造所
スペース・ラボ パシフィックアートセンター
ラッキースター


公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
理事長竹内文則
専務理事山本好志
エグゼクティブプロデューサー・事業部長渡辺弘
劇場部長岩品武題
制作·営業担当グループリーダー濟木亨
営業鶴貝典久 松井 哲
票券本鄉充子 鈴木優子
制作松野 創高木達也


主催・企画・製作
公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団


助成
文化厅文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
文化庁 一般財団法人地域創造

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