11月1日
きょうは、とても晴れていた。ひさしぶりに洗濯もできた。この時間に部屋のなかにいたのは、いつぶりだろう。夕まぐれにも遭遇できた。なぜだか、静寂ばかりに耳を澄ませている自分に気がつく。いつのまにか、つかれていたのだとおもう。それこそ日々というものによって。たまねぎを炒めてみた。何時間もかけて。カレーにしてみようかどうしようか。お腹が空いたり、眠くなることの必要を、わたしははまだ知っていた。
11月2日
深夜。水を飲みに起きると、ちかくの線路を整備しているのがきこえてくる。回送電車はどこへ行くのかと気になっていたのだけど。おそらくこの付近なのかもしれない、車庫があるのは。だれもいなくなってしまった、線路を。駅を。そして電車の。その空洞を思う。それらはまた時間を再開して、灯りをともして、またひとを招きいれるのだろう。
11月3日
決められた間隔なんてないのだとおもう。ひとはだれしもがもともとだれかの時間にあわせて生きているのではなくて。あくまで、自分のリズムで。そのリズムとリズムとが偶然、かみあいながら。ひとりひとりが、ひとりひとりとして生きているにすぎないのだと、知った。だから、なにに急かされてたのだろうとおもう、あのころ。それにしても夜汽車に乗って、気ままにどこかへ旅したい。